Mr.アスベスト 第2話 静かな時限爆弾


「静かな時限爆弾」アスベスト、利用規制への経緯
「魔法の鉱物」として重宝されたアスベストは、その優れた特性から世界中で大量に使用されました。しかし、時を経て、その陰に潜む深刻な健康被害が明らかになり、「静かな時限爆弾」と呼ばれるようになり、現在では多くの国で使用が規制されています。
何がきっかけでアスベストの問題点がわかったか
アスベストの健康被害が初めて認識されたのは、20世紀初頭のことです。
- 初期の報告: 1900年代初頭、イギリスでアスベスト工場労働者の間で肺疾患が多いことが報告されました。1924年には、アスベスト粉じんが原因と考えられる肺の病気が「アスベストーシス(石綿肺)」と命名されました。
- がんとの関連性: その後、アスベスト曝露と肺がんの関連性が疫学調査によって示唆されるようになり、1950年代には、アスベストが肺がんのリスクを高めることが科学的に強く示唆されました。さらに、1960年代には、アスベスト曝露と特有のがんである悪性中皮腫との明確な関連性が報告され、世界中に衝撃を与えました。
これらの研究結果が積み重ねられるにつれて、アスベストの危険性が科学的に裏付けられ、社会的な認識が高まっていきました。
その時の世界の反応
初期の報告こそあったものの、アスベストの危険性が広く認識され、対策が講じられるまでには時間を要しました。
- 初期の対応の遅れ: 当初は、アスベストの有用性が重視され、経済的な理由などから規制の動きは鈍かったと言えます。労働者の健康被害は一部で認識されていたものの、公には大きく取り上げられない傾向がありました。
- 認識の高まりと規制の開始: 1970年代に入ると、アスベストの健康被害に関する科学的証拠がさらに積み重ねられ、各国で徐々に規制の動きが始まりました。例えば、1970年代にはアメリカやイギリスなどで一部製品の使用が制限されました。
- 悪性中皮腫の衝撃: 特に、悪性中皮腫という致死率の高い特有のがんとの関連性が明確になったことは、世界各国に大きな衝撃を与え、規制強化の大きな契機となりました。
- 国際的な連携: 世界保健機関(WHO)などの国際機関もアスベストの危険性を警告し、各国への規制を働きかけました。
しかし、規制のタイミングや範囲は国によって異なり、アスベストの使用が完全に禁止されるまでには長い年月を要しました。
世界中にどのくらい使われたアスベストが残っているのか
正確な量を把握することは非常に困難ですが、20世紀を通じて世界中で数百万トンものアスベストが採掘・使用されたと推計されています。これらのアスベストは、主に以下のような形で現在も建築物やインフラ設備などに残留していると考えられます。
- 建築物: 壁材、屋根材、断熱材、吹付け材など、多くの建物にアスベスト含有建材が使用されています。特に、過去に建てられた建物には高濃度のアスベストが含まれている可能性があります。
- インフラ設備: 配管の断熱材、トンネルや橋梁の補強材など、インフラ設備にもアスベストが使用されている場合があります。
- 工業製品: 過去に使用されていた機械や設備、車両などにもアスベストが残存している可能性があります。
これらの残留アスベストは、建物の解体や改修工事の際などに飛散する危険性があり、適切な処理や管理が求められています。
残留アスベストの今後の課題
世界中に残るアスベストの今後の課題は多岐にわたります。
- 安全な除去・処理: 既存の建築物や設備からアスベストを安全かつ適切に除去・処理するための技術開発や体制整備が重要です。飛散防止対策を徹底し、作業者の安全を確保する必要があります。
- 管理と維持: すぐに除去が困難なアスベスト含有建材については、適切な封じ込めや囲い込みを行い、飛散のリスクを最小限に抑えるための管理と維持が必要です。
- 健康被害の救済: 過去にアスベストに曝露した人々に対する健康被害の救済や補償、そして長期的な健康管理体制の構築が重要な課題です。
- 国民への啓発: アスベストの危険性や適切な対応についての国民への継続的な啓発活動が必要です。
- 新たな曝露の防止: 現在も一部の国で使用されているアスベストや、過去に廃棄されたアスベストによる新たな曝露を防ぐための対策が必要です。
アスベスト問題は、過去の負の遺産として、今後も長期にわたり取り組むべき重要な課題です。科学的な知見に基づいた適切な対策と、社会全体の意識向上が求められています。
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