絵が描けなかった漫画制作会社の新人が「まんがのそざい」でまんがが売れるようになった話 第6話
前回のお話:第5話
2024年春。私はMG研修に参加しました。
MG研修とは、全国に受講者がいる、経営シミュレーションゲーム型の有名な社員研修です。
付き添いで来てくれた社長は、しつこく私に言ってきます。
「今日は絶対、まんがのそざいを宣伝しろよ」
経営者が多く集まる交流会。ここで何としてもまんがのそざいのことを伝えたい!
私は、ぐっと腹に力を込めて大きな声でスピーチしました。
「私は、経営の仕組みを勉強する中で、
商品を仕入れて作って売るの繰り返しが会社を動かしていることを学びました。」
「でも、実際に私たちの会社に当てはめてみると、
漫画を作って売るのは簡単な事じゃないし、
価格も作る量を増やすのにも限界があることがわかったんです。」
「そこで私たちはビジネスモデルを見直して、
どうやったらたくさん作って売ることができるようになるかを考えました。」
「そうしてできたのが「まんがのそざい」です。
これを使えば、誰でもたくさん作って売ることができるようになります。
ぜひ皆さんも使ってみてください」
とにかく伝える事に必死になっていた私は、
話している間、経営者ひとりひとりの顔を見る余裕はありませんでした。
話し終わってふと周りを見渡すと、
経営者の皆さんは拙い私の喋りをしっかりと聞いてくれていて、
暖かい拍手と声援を送ってくれました。
その後、一人ひとりにカードを渡している時も
「これいいね」「応援してるよ、頑張って!」と
声をかけてもらえて嬉しくなりました。
1週間後、交流会にいた経営者の一人の方に、
自身の執筆した著書の挿絵にまんがのそざいを使いたいと問い合わせをいただき、
私ははじめて自分で仕事を担当することになりました。
ベテランスタッフのアドバイスなども受けながら、
営業から受注、納品までを全て自分で行った初めての仕事。
反省点も多いけれど、お客さんからは
「とっても素敵な書籍になりました」と
満足のお声もいただくことができました。
「私、漫画の仕事ができたんだ…!」と胸が熱くなりました。
まんがのそざいは、ベテランのように絵が描けないのに
漫画家の世界へと飛び込んだ私でも、漫画の仕事ができるようになれるツールだと
私が証明できたように思います。
これからはもっと極めて
「そざいだけでここまで本格的な漫画ができるんだ!」
と思わせる作品を作りたいと思っています。
でもやっぱり私は、自分の絵でも漫画を完成させたい。
そのために、これからも修行に励んでいきます。
「絵が描けなかった漫画制作会社の新人が「まんがのそざい」でまんがが売れるようになった話」
おわり